存続期間が満了している地上権に関する登記

マンションの敷地権が地上権であるとき,登記記録上この存続期間が満了している場合に,まずは地上権の存続期間を延長するための変更の登記を経由してからでなければ,マンションの所有権移転の登記が受理されないのではないかとの考え方がある一方,借地借家法の借地権のみなし更新の規定から,登記記録のみから形式的に地上権が期間満了しているとは言い切れないとの考え方もあり,法務省から次のとおり通知が出されております。

登記記録上存続期間が満了している地上権を敷地権とする区分建物の所有権の移転の登記が申請されたときは,当該登記の申請情報及び添付情報から当該区分建物の敷地権が消滅していることが明らかな場合を除き,当該登記をすることができる。(平成30年10月16日民二第490号通知)

借地借家法
(借地契約の更新請求等)
第5条 借地権の存続期間が満了する場合において,借地権者が契約の更新を請求したときは,建物がある場合に限り,前条の規定によるもののほか,従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし,借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは,この限りでない。

2 借地権の存続期間が満了した後,借地権者が土地の使用を継続するときも,建物がある場合に限り,前項と同様とする。

3 転借地権が設定されている場合においては,転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして,借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。

存続期間が満了している地上権に関する登記先例

  • 登記簿上の存続期間経過後の日付を登記原因日付としてなされた地上権移転登記の申請は却下すべきである。(昭和35年5月18日民甲第1132号)
  • 登記上地上権の存続期間の経過していることが明らかな場合でも,その登記が存する以上,重ねて新たに地上権を設定し,その登記をすることができない。(昭和37年5月4日民甲第1262号)
  • 登記上存続期間が満了している地上権については,存続期間を変更しない限り,相続による移転の登記の申請をすることができない。また,その抹消には,利害関係人の承諾書の添付を要する。(登記研究439-128)
  • 登記記録上存続期間が満了している地上権が区分建物の敷地権利用権である場合において,当該存続期間の変更が法定更新によるときは,当該変更の登記の申請は,民法第252条ただし書の保存登記に該当すると考えられ,地上権設定者全員とともに,地上権の一部の準共有者から当該申請をすることができる。(平成27年1月19日民二第57号通知)

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