マイナンバーカードが簡単に作れます

私ども司法書士が登記申請の代理をするときは,人・物・意思の確認をすることを常に指導されております。日常的には,地面師のような劇場型のなりすましにあうことは,ほとんどありませんが,家族や親戚を名乗る方が本人の代わりに相談に来られたり,依頼をされたりすることはあります。この場合には,本人確認をしっかりとしなければなりません。後から,本人の知らない間に勝手に名義を変えられてしまったと騒ぎになっては困るからです。

月報司法書士10月号に掲載された懲戒事例に,当事者を取り違えて登記申請をした司法書士がいました。同一商号のまったく別の会社に名義を変えてしまった事例ですが,契約書と会社登記簿を突き合わせれば誰でもわかる間違いであり,あまりにも軽率な仕事のやり方をされている司法書士がいたものかと驚きました。

本人確認の方法としては,一般的には顔写真の付いた公的な証明書ですることとなっております。運転免許証やパスポートを提示される方が多いのですが,マイナンバーカードを提示されることもわずかにあります。なりすましによる不動産詐欺の現場では,公的な証明書が偽造されるケースも多いことから,私ども司法書士は,証明書の特徴についても心得ておく必要があります。証明書ごとに,見るべきところもさまざまではありますが,なによりも現物を所持していなければ,本物か偽物かの区別をすることが困難であるかと考えます。

紺屋の白袴と言われないためにも,私もマイナンバーカードを作成いたしました。マイナンバーカードの発行枚数を確認しますと,まだ日本国民の1割程度しか普及しておりません。これを持っていることのメリットがあまり実感できないうえに,交付申請することが面倒な印象があります。そして,運転免許証が万能過ぎるところも理由ではないかと考えます。しかしながら,運転免許証に人気があるのは事実ですが,これは都道府県の公安委員会が発行しているに過ぎず,住民基本台帳とも連携していないため,記載されている住所や氏名の真正が確実に担保されていません。また,偽造の運転免許証は,数万円で販売されており,過信するのはよろしくありません。

マイナンバーカードの交付申請は,実際には,面倒ではありません。申込みに必要な手続きは,インターネットで完結します。スマートフォンからも申請ができます。住所・氏名等をフォームに入力して,自撮りした顔写真のデータを添付して完了です。わずか5~10分で手続ができます。ここまでは,わが国の行政も進歩したものだと感心しておりましたが,次の3点が残念なところです。

  • 申請してから交付されるまでに1か月以上かかる
  • マイナンバーカードを受け取るには,役場に出頭しなければならない
  • いまさらカードですか?スマートフォンのアプリにしておけばいいのに

インターネットで交付請求しており,行政の事務負担が相当軽減されているように思いますが,なぜこんなに時間がかかるものなのでしょうか。また,受領のために窓口に出頭させる方法も片手落ちです。オンライン上で完結させればいいのではないかと不思議で仕方がありません。とはいえ,なかなか立派なカードです。住所・氏名・生年月日に顔写真が付いた簡素な表面です。これが無料で交付されておりますので,ぜひ多くの方に持っていただけるといいのではないでしょうか。

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