はんこ文化とデジタルファースト化の話

日本の近代化を妨げている諸悪の根源と見られている代表的なものとして,はんこ,ファックス,手書きでしょうか。

これらは全部,司法書士の世界ではバリバリの現役で,第一線で活躍されています。

「ファックスを送ったのですが。」
「メールを送ったのですが。」
と電話がかかってきますよね。勘弁してください,ほんとに。司法書士の関係団体の中には,メールで問い合わせをしているのに,ファックスで回答がくるところもあるのです。

私は,日頃の連絡はほとんどLINEで済ませております。ご依頼者様からの予約から同業者からの質問・問い合わせに至るまで,これで十分ですね。

行政手続きの簡素化・ペーパーレス化の流れの中で,会社法人の登記申請について,印鑑届出の制度を見直す動きがあります。はんこをやめましょうの流れです。

クールビズの推進のときにはネクタイ業界が反発していたように,行政手続きのペーパーレス化に対しては,印鑑業界が猛反発をしているそうです。

行政機関のみならず,民間では,クラウドサイン等のウェブ上で作成する電子契約書も活用され始めております。契約書を電子化することで,押印することなく,収入印紙もいらず,保管や郵送の手間も省けます。セキュリティを気にする方もあるかもしれませんが,人の手に任せるよりも安全かと思いますし,間もなくブロックチェーンを活用した強固な基盤が整うことでしょう。

はんこ文化のメリットとして,本人確認が手軽にできるところがあります。本人が持参したはんこと,役場で作成された印鑑証明書を照合することで,なんとなく本人確認ができてしまいます。

これを完全にサインにしてしまうと,これまでの方法では本人確認ができないため,別の方法を模索することとなりましょう。

一方で,はんこさえ持ち出してしまえば,誰でも押すことができてしまうところが決定的なデメリットと言えます。また,同じ印影のはんこを作ることは,難しいことではありません。

このようにはんこがたくさん詰まった箱は,少し古めの不動産屋さんや,司法書士事務所では見かける光景でしょう。いったい,何の用途ではんこを集めているのでしょうね。

欧米のサイン制度と違い,代理決済できるという印章の特長が,迅速な意思決定や決裁に繋がり,戦後の日本経済の急速な発展にも寄与してきたという自負もあります。

公益社団法人全日本印章業協会の要望書の中からの引用です。もはや担当者が持ち出して使ってしまえると,自白してしまっているのです。さらに,その要望書の末尾では,国に売上補償を要求しております。

なくなる文化もあれば,生まれる文化もあります。現状維持を望む業界に未来はありません。新しいものを常に生み出していくエネルギーが必要であります。

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