大事なことは,○○に

契約書もないのに,契約解除ができるのでしょうか?

そもそも,契約というのは,口約束でも成立します。

よく出される例ですが,コンビニでペットボトルの水を買うときは,冷蔵庫から取り出して,レジへ持っていき,お金を払います。これは,店と客との売買契約です。しかし,わざわざ契約書を取り交わすことはありません。

一部には,書面で作成しなければ,その効力をもたない契約もあります。

保証契約,任意後見契約,定期借地借家契約などは,書面でしなければならないこととされています。また,婚姻,養子縁組,遺言については,契約ではありませんが,厳格な様式が定められた書面ですることとなります。

契約に限らず,大事なことは書面に残しておくことです。

伝言,打ち合わせや会議の議事録がなければ,後になって言った,言わないの争いになるのは日常のことです。

工事や広告関係で,下請となって仕事をしたのに,お金を払ってもらえない,代金を踏み倒された。

貸したお金を返してもらえない。

との相談を,しばしば聞きます。ほとんどの場合,口頭での受発注で,いつ,どのような仕事をいくらで請け負ったのか,証拠がありません。貸金でも同様です。

はじめての取引では,慎重になることと思いますが,それなりに信頼関係ができている相手とは,わざわざ書面を取り交わさないこともあるかもしれません。

芸人やアイドルが所属事務所とのマネジメント契約の内容に関して紛争となる事案が,最近よく話題になっているように思います。

坊主とお寺,力士と相撲部屋,のように,雇用なのか,修行なのか,丁稚奉公なのか,内容がよくわからないままになっている業界もまだありますね。

恥ずかしながら,われわれ司法書士の業界でも,雇用契約書がないという話を聞きます。

司法書士法人では,労務関係もしっかりと整えられているようですが,昔ながらの個人事務所では,雇用契約書がない,ということを数多く聞いております。

それどころか,労働条件は,書面によって明示することが労働基準法で義務化されているところ,これが守られていません。

就業時間や勤務日数が明確にされていないために,実質的には最低賃金法を下回るような給料で働かされていることが散見されております。

残業代が支給されない,有給休暇や代休がとれない,通信費や交通費が自腹,このようなことがまかり通っている業界であります。

医者の不養生と言われないように,整備をしたほうがいいと思いますけれども。ただでさえ,人手不足で採用難と言われているのですから,労務周りを見直さなければ,求人に応募してくることはないでしょう。

私の事務所では,現在,採用は募集しておりませんが,愛知県内でも最高のホワイト事務所にする予定でおります。

とにかく,大事なことは書面にしておきましょう。後からでは言いにくくなることもありますから,何事もはじめが肝心であります。

投稿者プロフィール

司法書士野田啓紀
司法書士野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。

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