法務局から手紙が届いたら

平成30年11月に施行されました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づいて、法務局が土地の所有者の調査を開始しております。

この調査が終わりますと、長年にわたって登記がされていない土地には、「長期相続登記等未了土地」とマーキングがされます。

引き続き、この10月から、全国50箇所の法務局より、選ばれた約5万人に対して、通知が発送されます。

内容としては、長年にわたって相続登記が放置されていた土地について、速やかに相続の登記をするように、勧告するものです。

ご先祖さまの名義のまま放置されていた土地について、法務局が現在の相続人を調査して、完了したところから順次発送されていきます。

この手紙が届いた方は、放置してはいけません。

ご自身で登記の手続をすることが難しいときは、速やかに司法書士に相談をしてください。

何世代にもわたって相続登記がされていなかったことにより、土地の登記簿の情報が更新されず、現在の所有者がわからなくなっている土地が九州と同じ面積にも及ぶと言われております。

日本の国土の約2割について、登記簿がまったくアテにならない状態となっているのです。

このことは、道路や鉄道の新設や拡幅等の日常の公共工事に差し支えているほか、大規模災害が発生したときには、高台移転等の復興事業が遅れる原因となっています。

なぜならば、これらの事業に必要な用地を自治体が収容しようにも、登記簿には数世代前の、既に亡くなっている方の名前が登録されており、現在の所有者にたどり着くまでに、その調査にとても多くの時間と費用がかかってしまうためです。

数世代にわたって相続登記をしていなかった場合、亡くなった登記名義人の相続人の数は数十名にも増えてしまっています。

戸籍等を調査すれば、登記名義人の現在の相続人を探すことはできます。

たいへんなのは、そこからです。

全員の所在をつきとめて、遺産分割が未了であれば、その手続を済ませて、相続登記をして、売買や収用を進めることとなります。

現在の相続人の中に、たとえば認知症等で判断能力がない方については、遺産分割協議の前提として、成年後見制度の利用の手続をしなければなりません。また、相続人の中に、海外に居住されている方がいれば、その所在をつきとめるには限界があります。

土地の中には、現在の世代がまったく把握していないような、ご先祖様が生まれ育った地方の山林や原野の共有持分が、名義変更を忘れられたまま残っています。

かつて親戚同士で骨肉の争いとなった挙句に、裁判で解決した相続に関して、一部の土地の相続手続だけが漏れていたときには、いまさらこれを改めて話し合うなど到底不可能なことです。

このように、出口を見通すことなく、進められている所有者不明土地解消事業には、これからさまざまな問題が発生するものと予想しております。

繰り返します。

法務局から手紙が届いた方は、速やかに相続の手続を始めてください。

ご自身で手続をすることが難しい方は、司法書士にご相談いただければ、代わりに手続をすることもできます。

もし、親戚の中に、音信不通の方や、話し合いに応じてくれない方がいる場合には、弁護士と協力しながら、裁判の手続を利用して、解決に当たります。

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