公証役場は管轄を自由化するべきだ

私ども司法書士は、公証役場によくお世話になります。

会社設立のための定款認証、遺言公正証書作成、任意後見契約、民事信託など、重要な書類に効力やお墨付きを与えてくださる重要な役場です。

会社を設立するときに、いささか厄介な問題があります。

公証役場には、管轄があり、会社を設立しようとする場所の公証役場の公証人でなければ、認証ができません。

先日、東京で会社を設立されるお客様の登記手続をしました。

いまや、登記手続は、オンラインにより遠隔地からも申請することができます。

一方、定款認証については、実際に公証役場に出向かなくてはなりません。

限定的な場面ではありますが、公証人の定款認証も、遠隔地からビデオ通話の方法によりすることができます。これは、依頼者と司法書士がいずれも書類に電子署名をしたものを、公証役場へデータで送信した場合に限られますが、まだ、一般の方に電子証明書が普及しておらず、この方法はほとんど利用されていません。

名古屋で会社をつくるには、名古屋の公証役場へ。東京で会社をつくるには、東京の公証役場へ行くことになります。

そろそろ、公証役場も管轄をはずして、どこの役場でも手続ができるようにするべきではないでしょうか。

もっとも、公証役場の数が少ないので、予約が取りにくいこともあれば、出張対応もしていただけないこともありますから、役場の数を増やしてほしいという要望もあります。

さらには、公証業務は、弁護士にやっていただいてもいいのではないでしょうか。

このように考えていた最中、東京の公証役場の公証人の方から、朗報でした。

定款認証の委任状などの必要な書類の原本を事前に郵送しておけば、定款認証の当日には、代理人が遠隔地からビデオ会議で手続をすることができるようになる旨の省令改正が今年中に予定されているとのことでした。

この改正さえされれば、定款認証のために公証役場に出向く必要がなくなります。

司法書士の仕事も、ペーパーレス、オンライン、ビデオ会議をもっと活用して、効率よく業務を処理していきたいものです。

ある日、司法書士会事務局からのメールの添付ファイルを開けると、回答書に記入して、FAXで返送してくださいと書かれてあります。一瞬、意味がわかりませんでした。いつまで、このような時代遅れな業務をしていくのでしょうか。目を覚ましましょう。

ABOUT ME
司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。