殺人と相続

私の事務所のあります名古屋市港区の南陽地区は、農地が多く、少子高齢化の著しい地域です。

人口は約3万人です。

のどかな雰囲気の町かと思いきや、凶悪犯罪がときどき起こるのです。

昨夜、家族3人が刃物で刺され、77歳の女性が死亡、家族2名が意識不明の重体となる事件が起こりました。

死亡した女性の孫が、警察に逮捕されたと報じられております。

相続欠格

民法では、相続人になることができない場合が決められています。

  • 親や兄弟を死亡させたとき、または死亡させようとして刑に処せられた者
  • 親が殺害されたのに、告発しなかった者
  • 詐欺または強迫によって、相続に関する遺言をすることや、撤回、取り消し、変更することを妨げた者
  • 詐欺または強迫によって、相続に関する遺言をさせ、撤回、取り消し、変更をさせた者

親や兄弟を殺したときや、だまして遺言を書かせたり、脅かして遺言を書かせないようにしたりすれば、相続人にはなれません。

当たり前のことです。

遺産欲しさに、親を殺したり、遺言を強制させたりすることが許されてはなりません。

相続欠格と相続放棄の比較

子が親を殺した場合、子は相続欠格となり、相続人にはなれません。

ただし、孫がいれば、その孫が子を代襲して相続人となります。

この点で、相続放棄とは異なります。

子が相続放棄をすれば、孫がいても、その直系の血筋には相続権はなくなります。

遺言を書いてもらうこと

親に遺言を書いてもらいたいとの要望やご相談もあります。

遺言書は、これを書く本人の気持ちや意思が重要です。遺産が欲しいからと、親をそそのかして、有利な内容の遺言を作らせてしまえば、場合によっては、相続欠格者となり、何ももらえないこともあるのです。

そもそも、相続手続を円滑にするものであって、争族とならないようにする最後の意思表示のための遺言なのに、特定の身内の思うままに作らせるようなことはあってはなりません。

大切なことは、家族の情報共有です。家族会議で意思を伝えることも有効であるとされています。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。