市町村職員向けに相続セミナーをしてまいりました

本日は、私が所属している愛知県公共嘱託登記司法書士協会の理事としてのお仕事でした。

土地家屋調査士協会と共催で、愛知県下の市町村役場の職員様向けに、研修会の講師を務めてまいりました。

40名ほどの参加があり、気持ちよく講師をすることができました。

第1部は、土地家屋調査士の先生が、「官公署における不動産の管理と筆界特定制度」のお話をされました。

土地の境界が不明で、隣地同士で争いになることがあります。また、境界がはっきりしない土地は、建物を建築するときや、売却するときにも差し支えることがあります。

わが国には、一般に想像するような地図はありますが、土地1筆ごとを正確に計測した地図は、まだ完成しておりません。

山林などでは、そもそも図面さえ作成されておらず、所有者が不明な土地の問題を解消することが困難である理由のひとつとなっています。

隣人の話し合いで解決できないような境界の問題は、法務局の筆界特定制度を利用して、解決することができるとの講義でした。

当事者の話し合いや思い込みではなく、法務局などに備え付けられている客観的な資料をもとに、法務局によって土地の境界を決めてもらう制度です。

筆界特定制度には、強制力はありませんので、これでも解決しなければ、訴訟をするしかありません。土地の問題は、そこに住んでいる人しかわからないことも多くあります。時が経って、相続などで所有者が交代してしまうと、事情がわからないため、話が前に進みにくくなることも考えられます。

第2部は、私が登壇し、「相続登記の基礎と近年の重要登記先例の解説」をテーマに話をしました。

持ちネタとしては、相続法改正や相続対策、認知症対策が中心ですが、今回は、自治体の職員向けであったため、固めの内容としました。

基本的な相続の知識や、相続登記の仕組みを確認しました。

また、近年に出された相続に関する登記先例を解説しております。

法務局という役所は、裁判所の言うことも聞かないくらい頭の固い役所であります。徹底した書類審査を貫き、柔軟性に乏しいところです。

しかし、さまざまな事情で、登記に必要な書類が集められないことや、官公署での保存期間の経過により交付が受けられないこともしばしばあります。

もはや他の相続人が想定されず、拒絶するような事情がないにもかかわらず、形式的に書面が不足することだけをもって、手続を止めてしまうことが、時流に合わなくなってきております。

相続登記がされていない、進んでいないことが、わが国の所有者不明土地の問題の一因であることが指摘されて以来、法務局もやや態度を軟化させ、できる限り相続登記をさせようとしている様子が見受けられます。

司法書士としても、登記簿を常に最新情報にアップデートして、価値のあるものにしていくことが重要であると考えています。

大勢の前に立ってお話をするのは、とても楽しい時間です。これからもますます技量を高めて、いいお話ができるようにしてまいります。

投稿者プロフィール

司法書士野田啓紀
司法書士野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください