遺言の日

1月5日は遺言の日であるそうです。

相続の場面では、争族を回避するほか、死後事務を円滑に進めることができるなど、遺言書の効き目はとても大きなものです。

遺言を書くと聞きますと、おおげさな印象をもたれる方も多いのですが、一部の富裕層に限った話ではありません。

相続が、なぜ争いごとになるのでしょうか。

それは、いくら子どもたちが仲良くしていても、その子の夫や嫁、親戚など、部外者が割り込んできて、紛争の火種をまいていくことがあります。

また、相続財産を放棄したり拒絶したりするなど、遺産の押し付け合いから紛争になることも、最近では増えているようです。

次のような方は、遺言を必ず書いていただきたいものです。

財産の少ない方

「うちは相続のことはだいじょうぶ。なにも財産はないから。」

よく言われます。

遺産相続が裁判になるのは、大半が財産が少ない方です。裁判になるうちの約8割が、遺産が5千万円以下の家庭です。

相続税の心配がないことと、相続争いの心配がないことが、整理されていないためです。

財産の少ない方ほど、相続が争いごとになる理由は、分ける財産がないためです。

およそ、自宅の土地建物と数百万円の現金のみ、という場合がこれにあたります。たとえばこれを、子2名で相続することを考えても、半分に、平等に分けることは不可能です。

自宅の不動産を売却して、代金を等分にすることは考えられますが、子のいずれかが親と同居していたような場合や、親の名義の土地に自宅を建てて住んでいる場合には、売却することは事実上困難です。

子どものいない夫婦

子どものいない夫婦は、必ず遺言書を作成していただきたいものです。

なぜならば、子どものいない夫婦は、その法定相続人が、配偶者と兄弟姉妹となります。

兄弟姉妹が先に亡くなっているときは、その甥・姪までが相続人となります。

ある日突然、兄弟姉妹や叔父叔母の相続人となることは、日頃から交流があればともかく、関係者としては相当の負担であります。

なにももらわない、相続放棄をするにも、手続が必要となるからです。

また、兄弟姉妹や甥・姪に相続の手続に協力してもらうにも、居場所がわからないことや時間がかかってしまうことがあります。

遺産がすぐに使えないことで、生活費の捻出に苦労することも考えられます。

離婚歴があり、前夫・前妻との間に子どもがいる方

人が亡くなると、まず相続人となるのは、配偶者と子どもです。

子どもには、現在の配偶者との間の子だけでなく、前夫・前妻との間の子も含まれます。

夫が亡くなった場合、後妻が、前妻の子と連絡をとって、相続の手続に協力をしてもらわなければ前に進みません。

居場所がわからないこともあれば、手続に協力をしてもらえないこともあります。

また、前妻の子から法定相続分の請求があれば、これに応じなければなりませんが、必要な現金が手許にすぐに準備できているとは限りません。

早めに取りかかってください

遺言は、意思能力がなければつくることができません。

認知症になって、判断能力が衰えてきてからでは、書くことができなくなってしまいます。

子の立場から、親に向かって、なんで遺言を書いておいてくれなかったのかという残念な結果になりませんように、早めに取りかかっていただきたいものです。

投稿者プロフィール

司法書士野田啓紀
司法書士野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。

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