不動産の登記簿には、土地や建物の所有者の住所と名前が記録されています。
住民票の住所と登記簿の住所は、連動していないため、住所が変わったときは、登記簿の住所変更の登記申請が必要となります。
住所が変わったとき
住所が変わったときというのは、次のような場合が該当します。
お住まいが変わっていなくても、行政側の事情で住所が変わることがあります。この場合でも、登記簿の住所変更の手続きは、役場が代わりにやってくれるわけではなく、所有者が自分でしなければなりません。
- 引っ越しをして住所が変わった
- 土地改良や土地区画整理によって換地処分がされた
- 行政区画の変更や町名・地番が変更された
- 住居表示が実施された
住所変更の登記をするには
不動産の登記簿の住所変更の手続きは、その不動産を管轄している法務局へ行って、登記申請をします。
所有者であるご本人が自分ですることができますし、これが難しい場合には、司法書士へ依頼してすることとなります。
住所変更の登記に必要なもの
住所変更の登記に必要なものは、次のとおりです。ただし、ご自分でされずに司法書士へ依頼をするときは、これらに加えて司法書士報酬が必要となります。
- 登記申請書
- 住所変更を証する書面
- 登録免許税
登記申請書は、不動産の所有者本人が作成するほか、司法書士に依頼をしたときは、司法書士が作成します。
住所変更を証する書面は、住民票や戸籍の附票がこれに当たり、いつどこに住所を変更したのかがわかる公的な証明書を提出します。
また、行政側の都合で町名や地番が変更されたときは、役場にて変更証明書を無料で発行されることがありますので、役場の住民課等におたずねいただくこととなります。
登録免許税は、不動産ひとつにつき1000円です。例えば、自宅の敷地1筆と建物1棟であれば、計2000円となります。
住所変更を長年にわたって放置している場合
不動産を取得した当時の住所が名古屋市港区で、その後に南区、蟹江町、大府市など転々と住所を移転したものの、登記簿の住所が元のままになっていることがあります。
この場合には、名古屋市港区→名古屋市南区→海部郡蟹江町→大府市と、取得した当時から現住所まで移転した変更の履歴をすべて証明しなければなりません。
住民票や戸籍の附票を取得して、過去の住所移転の履歴をさかのぼって証明することとなりますが、住民票や戸籍の附票には、転出・転籍等をしてから5年間しか役場に保存されず、その後は廃棄されてしまいます。
また、転勤等で海外へ住所を転出された場合には、その時点で日本の役場での住所移転の履歴は寸断されてしまいます。
そのため、長年にわたって住所変更の登記をしていなかった方は、公的な証明書が揃えられないことがあります。
その場合には、公的な証明書に代えて、所有者本人の住所移転の履歴を思い出していただいたものを書面(上申書)にまとめたうえで、住所変更登記の申請人が当該不動産の登記簿に記載されている所有者本人に相違ないことを証明する書類を追加でご準備いただいて、登記の申請をすることとなります。
追加で必要となる書類等
- 上申書
- 印鑑証明書
- 土地や建物の権利書
- 直近3年分の固定資産税の納税証明書(権利書がない場合)
- 不在住証明書・不在籍証明書(権利書がない場合)
この場合には、住所変更の登記にかかる時間や費用が、通常よりも余分にかかってしまいます。住所変更の登記は、住所が変わったときには速やかに済ませておくことをおすすめします。
登記費用
当事務所の住所変更の登記費用は次のとおりです。
上記のほか、郵送料等の実費をご負担いただきます。
また、住民票等の変更証明書の取得を代行する場合や、上申書の作成が必要な場合には、別途追加で費用をご請求いたします。