不動産登記

農地の共有名義の解消

不動産は、できるかぎり、共有名義にしないでください。

特に、相続した不動産は、相続人のうち、単独の名義にしておいてください。共有名義の不動産は、後日のトラブルが必ずといっていいほど起こり、また、これを解きほぐすことがとても困難であるためです。

これは、とある農地の登記簿謄本です。

亡くなった祖父から、相続したときに、子どもたち3名で3分の1ずつの名義をつけていました。

実際にこの農地を管理しているのは、おひとりです。

その他の人たちからは、この名義を手放したいと言われ、管理している方からは、単独名義にしておきたいと言われております。

農地の名義を変えるのは簡単ではない

農地の名義を変えるには、原則、農業委員会に農地法の許可または届出をしなければできません。これには、さまざまな条件があるほか、地域によっては、時間がかかります。

また、不動産の名義を変えるには、原因が必要です。

これは、売買、贈与など、法律的な原因です。単に、名義変更ということはありません。

共有名義の解消方法

共有名義の解消方法には、いくつかの方法がありますが、よく利用されるものを紹介します。

共有持分の売買

共有者間で、共有持分の売買をすることで、共有関係から離脱します。これには、代金をいくらにするのかを決めて、実際に代金を支払っていただきます。

また、譲渡所得税や不動産取得税などの税金もかかってくることがあります。

共有持分の贈与

他の共有者に共有持分を無償で贈与して、共有関係から離脱します。共有持分の価値によっては、贈与税がかかることがあります。

共有持分の放棄

共有持分を捨てて、共有関係から離脱します。これにより、他の共有者に持分が移転します。

この方法であれば、農地法の許可は不要です。ただし、やっていることは実質的な贈与とみられ、贈与税がかかります。

注意するべき点

共有者の中に、認知症などで意思能力が不十分な方がいる場合、契約や登記手続ができないことがあります。

農地の管理が不十分であったために、近隣住民に損害が発生したときは、損害賠償請求をされることがあります。

また、耕作放棄により土地の価値が下落するほか、農地の相続税に関する納税猶予の特例が使えなくなることがあります。

繰り返します。

不動産は、できるかぎり、共有名義にしないでください。不動産の共有名義解消については、司法書士野田啓紀事務所へご相談ください。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。