からだは女性であっても,心の中では男性として生きるのがふさわしいと考えたり,また,男性が,本当は女性として生きるべきであると確信するような現象を性同一性障害といいます。
からだと心の不一致から,悩んだり苦しんだりされる方がいます。医療機関による治療が可能であるほか,一定の場合には,家庭裁判所で,性別変更の手続きをして,戸籍上の性別を改めることができます。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(定義)
第2条 この法律において「性同一性障害者」とは,生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず,心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって,そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。(性別の取扱いの変更の審判)
第3条 家庭裁判所は,性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて,その者の請求により,性別の取扱いの変更の審判をすることができる。一 二十歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2 前項の請求をするには,同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
要件
- 二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
- 20歳以上であること
- 現に婚姻をしていないこと
- 現に未成年の子がいないこと
- 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
- 他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
申立先
本人の住所地を管轄する家庭裁判所
ご準備いただく書類
- 本人の戸籍謄本(出生から現在まですべて)
- 家庭裁判所の指定の様式で作成された2人以上の医師による診断書
手続きの流れ
家庭裁判所に性別の取扱いの変更の申立書を提出した後,裁判所の調査官が調べたり,裁判官と面談をして事情を聞いたりされます。
性別変更が認められると,戸籍上の性別が書き換えられ,新たに戸籍が編製されます。
性別の変更と同時に名前を変更したい場合には,名の変更許可の申立ても必要となります。
費用
上記のほか,戸籍謄本取得の手数料や医師の診断書作成費用が必要となります。
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