商業登記

会社を格安で設立する方法を教えます

会社を設立するには、法務局で会社設立の登記をしなければなりません。

この費用が意外と高いため、少しでも安い費用で会社を設立しようと考えることにも理由があるものと思います。

会社設立の手続ができる専門家とは

会社設立の手続は、自分ですべての書類を作成して、法務局に提出すれば、どなたでもすることができます。しかし、業として会社設立の手続を代行できるのは、次の職種に限定されています。

  • 司法書士
  • 弁護士
  • 公認会計士(昭和25年7月6日民事甲第1867号民事局長回答)

司法書士法

(業務)
第3条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。

二 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第四号において同じ。)を作成すること。ただし、同号に掲げる事務を除く。

三 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。

四 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第六章第二節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第八号において同じ。)において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。

五 前各号の事務について相談に応ずること。
(以下省略)

司法書士法

(非司法書士等の取締り)
第73条 司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者(協会を除く。)は、第3条第1項第一号から第五号までに規定する業務を行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(以下省略)

司法書士法

弁護士法

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士法

つまり、司法書士、弁護士、公認会計士以外の者は、会社設立の手続の代行だけでなく、これに必要な書類の作成さえ禁止されていることになります。

よくある会社設立の格安サービスについて

会社設立を格安で請け負っている業者によくある謳い文句です。インターネットを利用して盛んに広告を出して、全国規模で手広く集客している業者もあります。

  • 税理士事務所と顧問契約を結ぶことを条件に、無償または低廉な価格で会社設立をするもの
  • 会社設立に必要な書類作成のみ請け負い、押印や法務局への提出は本人がするもの
  • 有料で登録した会員専用ホームページで、会社設立に必要な事項を入力すると、自動的に書類が生成され、これをダウンロードさせるもの

いずれも、ご注意ください。

顧問契約を前提とした会社設立は、設立手続の費用だけ見ればお値打ちとなっておりますが、毎月の顧問料や中途解約の違約金等を十分に確認する必要があります。

登記の書類作成だけを請け負っている業者は、司法書士等の専門家ではないため、その書類が正確に作成されている保証はありません。

また、登記に関する書類の作成について、提携する司法書士や弁護士に外注していると注記されている場合であっても、インターネット上のやりとりだけでは、これが本当に司法書士や弁護士が作成したものかがわからないため、注意が必要です。

個人的な感想ですが、私ども司法書士は、他の士業や業者の方から依頼をされて、登記申請の代理を伴わずに、登記に必要な書類の作成のみを請け負うことはありません。注記されているような業務フローは、半ば名義貸しのような形態であって、現実的に存在しないのではないかと考えます。

また、会社設立に関する業務は、法令等により、依頼者と面談をして本人確認をすることが義務付けられていることもその理由のひとつです。

インターネット上ですべて完結するような方法で宣伝をしている業者については、その時点で違法な業者である可能性が高いと言えます。

司法書士ではない業者に会社設立を依頼するリスクについて

  • 会社設立に関する手続が杜撰に処理されることがある
  • 誤った内容で登記手続がされてしまっても、責任をとってもらえない

格安業者に書類作成のみを依頼して、本人が会社設立の登記を申請する場合を考えます。

書類の記載に一部誤字や脱字があって、これに気づかずに、説明書のとおりに署名押印し、法務局へ書類を提出したとき、誤った内容で登記簿が作成されてしまうことがあります。

一般的には、会社設立の登記が終わった後に、新しくできた会社の登記簿を用いて、許認可や助成金の申請をすることがありますが、登記簿の内容が間違っていた場合、これらの申請ができなくなってしまうことが考えられます。

金融機関での口座開設に手間取り、融資の手続が遅れることもあります。

事業をするために必要な許認可や資金が予定どおりに得られなかったために、事業計画を作り直さなければなりません。

また、登記簿の誤りを直すための手続が必要となるところ、司法書士ではない業者では、これに対して一切対応することができません。

会社を格安で設立する方法を教えます

長くなりましたが、司法書士として合法的に、会社を格安で設立する方法を教えます。それは、各市町村が実施している特定創業支援事業による支援を受けることです。

市町村で指定された商工会や信用金庫等で継続的に複数回の窓口相談をしたり、創業塾に参加することで、特定創業支援事業を受けたことの証明書を交付してもらえます。この証明書があると、国から次のような支援を受けることができます。

  • 会社設立時の登録免許税の軽減
  • 創業関連保証の特例
  • 日本政策金融公庫の新創業融資制度の自己資金要件充足
  • 日本政策金融公庫の新規開業資金の貸付利率の引き下げ

この中でも、会社設立時の登録免許税の軽減を受けることで、登録免許税が半額になります。

資本金の額にもよりますが、多くの場合は、登録免許税として15万円を納めるところ、この支援を受けられれば、7万5千円で済みます。とても大きなメリットがあり、しかもまったく違法性はありません。

ただし、支援を受けるための段取りがありますので、スケジュールに余裕がなければできないことには注意してください。

会社を設立したい方は、ぜひ司法書士にご相談ください。合法的に会社を格安で設立するお話でした。

ABOUT ME
司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
名古屋で相続、認知症対策専門の司法書士事務所を経営しています。人生100年時代を豊かに過ごせるように、老いの不安を解消し、想いに寄り添うコンサルティングに強みがあります。 遺言書、民事信託、成年後見制度などを組み合わせた相続、認知症対策のご提案をいたします。 当事務所では、相続登記や預貯金の解約のような死後の事務手続だけではなく、生前の相続、認知症、事業承継への対応に、適切な助言をいたしております。