相続・遺言

外国人と結婚をするときの戸籍の届出

日本で暮らす外国人や、外国で暮らす日本人が増加しております。中には、外国人と結婚をする方もあります。

ニッセイ基礎研究所の平成29年のレポートによれば、日本国内における国際結婚の割合は、全体のうち約3パーセントとなっております。平成18年に6パーセントを超えましたが、それを除いては、ほぼ横ばいで推移しております。

国籍の組み合わせは、「日本人夫と中国人妻」がもっとも多く、「日本人夫とフィリピン人妻」が続き、上位2位で全体の40パーセントを占めております。

結婚をしたときは、役場で届出をすることとなりますが、国際結婚をしたときの戸籍の手続について、どのような届出が必要であるのかをまとめております。

手続を誤ってしまうと、結婚したはずなのに、法律上結婚できていないことになってしまい、相続関係に重大な影響を及ぼすことがあります。

外国人が日本で結婚したときの戸籍の届出

日本方式の婚姻

日本人と外国人または外国人同士が日本で婚姻しようとするときは、役場の窓口に婚姻の届出をして、届出が受理されると、有効な婚姻が成立します。

外国方式の婚姻

外国人が日本にあるその国の大使館または領事館に、その外国の方式により婚姻届出をした場合には、日本の戸籍届出窓口への届出は不要となります。

外国人が日本で婚姻届をするために必要な書類

婚姻要件具備証明書(翻訳文付き)

婚姻要件具備証明書は、婚姻をしようとする外国人の本国の大使館や領事館で、婚姻に必要な要件を備えていることを証明してもらう書面です。

外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、その人の本国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要です。

市区町村では、婚姻届を受理するために、この点を審査します。その証明のため、日本人については戸籍謄本を、外国人については婚姻要件具備証明書を提出してもらうという方法が採られています。

宣誓供述書(翻訳文付き)

婚姻要件具備証明書を発行する制度がない国の場合、領事館で宣誓供述書を発行してもらいます。

外国人が、日本に駐在する本国の領事の面前で、本国の法律で定める結婚年齢に達していること、日本人との結婚について法律上の障害がないことを宣誓し、領事が署名した宣誓書が発行されれば、この宣誓書が婚姻要件具備証明書に代わるものとして認められる場合があります。

外国人と海外で結婚をしたときの戸籍の届出

その国の法律により、結婚式を挙げたことで婚姻が成立する場合と、日本のように役場に婚姻届出をしたときに婚姻が成立する場合に分かれます。

結婚式を挙げたことで婚姻が成立する国の場合

外国の法律上有効に婚姻が成立し、その国が発行する婚姻に関する証書が交付されている場合には、婚姻成立の日から3か月以内に、その証書(翻訳文付き)を、日本の在外公館または本籍地の戸籍届出窓口に提出します。

役場に婚姻届出をしたときに婚姻が成立する国の場合

市区町村の戸籍届出窓口に婚姻の届出をします。

日本人同士が海外で結婚をしたときの戸籍の届出

その国に駐在する日本の大使館または領事館で婚姻届出をすると、外務省を経由して本籍地の市区町村に送られます。本人から直接に、本籍地の役場に、婚姻届を郵送することもできます。

外国人と結婚をしたときの戸籍の作成

日本人が外国人と婚姻をした場合には、外国人についての戸籍は作られませんが、配偶者である日本人の戸籍に、その外国人(氏名・生年月日・国籍)と婚姻した事実が記載されます。

外国人と婚姻しても日本人の氏は当然には変わりません。

しかし、外国人配偶者の氏を名乗りたい場合には、婚姻の日から6か月以内であれば、戸籍届出窓口に氏の変更の届出をすることで氏の変更をすることができます。

なお、婚姻の日から6か月が過ぎている場合には、家庭裁判所の許可を得た上で、戸籍届出窓口に氏の変更の届出をすれば、氏を変更することができます。

日本人の独身証明書

日本人が外国の方式で婚姻する場合には、外国の関係機関から、婚姻要件具備証明書(独身証明書)の提出を求められる場合があります。

この証明書は、日本の大使館または領事館、本籍地の市区町村役場、法務局のいずれかで取得することができます。

提出先の国によっては、独身証明書について、外務省や大使・領事の認証等を求められる場合があります。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
名古屋で相続、認知症対策専門の司法書士事務所を経営しています。人生100年時代を豊かに過ごせるように、老いの不安を解消し、想いに寄り添うコンサルティングに強みがあります。 遺言書、民事信託、成年後見制度などを組み合わせた相続、認知症対策のご提案をいたします。 当事務所では、相続登記や預貯金の解約のような死後の事務手続だけではなく、生前の相続、認知症、事業承継への対応に、適切な助言をいたしております。