相続・遺言

銀行の節税提案を信じない

銀行は、銀行のための提案をします。

お客様のための提案はしません。しかも、担当者は、数年後には、転勤してしまいます。

お客様がどのくらいの預貯金があるのかは、彼らはすべて見ることができますから、財布の中身は筒抜けです。

その中で、銀行にとってメリットのある提案をしかけてきます。

真に、お客様のお困りごとに対応した商品ではなく、手数料率やコミッションの高い商品を勧めてくることでしょう。

そのため、お客様にあわせたサービスを設計することなく、銀行側が用意した雛形に、無理やり当て込んでくるような提案になるものです。それを、社内の規則だとかコンプライアンスだとか、よくわからない言葉で正当化するのが、常套手段であります。

不動産や証券など、他社で取り組んでいる資産についても、自行の商品に組み替えるような提案もされていますが、これにはお客様の利益になるような提案が必ずしもされていないことを散見します。

とある銀行が作成した遺言書の案文を見たことがあります。

素人が書いたような、雛形どおりの遺言書で、これに50万円も支払うのかと、唖然としたものです。

そのうえ、遺言書保管料として年間手数料を請求するほか、死後に遺言執行をするときに、再度、遺言執行者報酬として、高額の手数料が予定されています。なおかつ、後日に紛争の可能性が予見される場合には、銀行側がノーリスクで撤退できるような条項もしっかりと用意されています。

また、銀行の窓販の生命保険には、注意していただきたいものです。

生命保険は、使い方を間違えなければ、節税にも納税資金対策にもなり、相続の場面ではとても優れた商品です。

しかし、ロクに知識もない方が扱うことで、損害が発生します。かんぽ生命では、無理やり自社で取り扱いたいがために、お宝保険を解約させるようなことがありました。

相続対策で生命保険を設計するには、さまざまな観点から、検討が必要です。そもそも、お客様は、保険に入りたいのではありません。相続のことや節税のことが心配で相談をされていて、その真意や家族への思いがあって、これを解決する手段として、利用するものです。

契約者、被保険者、受取人をどのように組み立てるのかによって、結果はまったく異なります。

単に、上から言われたノルマを達成するために売るようなものではなく、また、売れ残った商品をお願い営業で売り込むようなものでは決してありません。

銀行は、看板に対する信用で、押し切っているところがあります。

いまや、本業の融資で利益が出せないため、安直に手数料を稼ぐことができる商品を節操なく取り扱っているのが現実です。

提案を鵜呑みにせず、セカンドオピニオンを受けることをおすすめします。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。