相続は,人の死亡によって開始します。相続の手続は,生きているうちに準備できることと,死後にしかできないことがあります。

最近では,死後に,できるだけ自分の想いに沿った形で相続手続が進められるように,前もって準備しておく「終活」について,多くの方々が関心をもち,取り組まれております。

当事務所では,相続手続の専門家である司法書士が,相続や終活について,詳しくご案内いたします。

相続の順位

相続の手続や相続対策を考えるにあたって,まずは,ご自分の相続人が誰になるのかを理解するところからはじまります。

ただし,配偶者であっても,内縁関係事実婚のように,婚姻届を出していない夫婦や,同性婚のパートナーは,法律上の配偶者ではありませんので,相続人になることができません。

相続手続の流れ


死亡後,相続の手続は,およそ上図のように進んでいきます。

遺書があるかないかによって,その後の手続が大きく変わります。手続に必要な日数は,相続人の人数,相続財産の数量によって長くなることも短くなることもあります。

相続人全員と連絡が取れて,速やかに相続全員で遺産の分け方について合意ができれば,手続は1か月程度で完了します。しかし,相続人の中に音信不通となっていたり,海外に在住していたりする者がいるほか,相続人同士で争いがあって合意が形成できない場合には,必要な期間が長くなる傾向があります。

遺書がないとき

相続関係を確定させる
相続人が誰であるかを確定させるために,亡くなった方の戸籍謄本等を請求します。ご自分で集めることが難しいときは,ご依頼いただければ戸籍謄本等の取得を代行いたします。

  • 被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍抄本
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
相続人全員で相続財産の分け方を話し合う
相続人全員で,相続財産を誰がどのように取得するのかを話し合い,決定します。民法に定める割合(法定相続分)とは異なる分け方をするときは,その内容を文書にした遺産分割協議書を作成し,相続人全員で実印を押し,印鑑証明書を添付します。
相続税の申告
相続税の申告が必要なときは,相続開始から10か月以内に,税務署へ申告し,納税することとなります。
預貯金の解約や不動産の名義変更等の手続をする
相続人がそれぞれに相続した財産について,各自で,名義変更等の手続をします。不動産の名義変更や,預貯金の解約等をご自分ですることが難しいときは,ご依頼いただければ手続を代行いたします。

遺言書があるとき(自筆証書遺言,秘密証書遺言)

遺言書を発見したとき
絶対に開封してはいけません。後日,相続人が家庭裁判所に集まって,検認手続の中で,開封の作業をします。
相続関係を確定させる
相続人が誰であるかを確定させるために,亡くなった方の戸籍謄本等を請求します。ご自分で集めることが難しいときは,ご依頼いただければ戸籍謄本等の取得を代行いたします。

  • 被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍抄本
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
家庭裁判所で遺言書の検認手続をする
家庭裁判所に相続人が集まって,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
相続税の申告
相続税の申告が必要なときは,相続開始から10か月以内に,税務署へ申告し,納税することとなります。
預貯金の解約や不動産の名義変更等の手続をする
遺言書に基づいて相続人が相続した財産について,各自で,名義変更等の手続をします。不動産の名義変更や,預貯金の解約等をご自分ですることが難しいときは,ご依頼いただければ手続を代行いたします。

公正証書遺言があるとき

公正証書遺言の内容を確認する
公正証書遺言に書かれた内容を確認し,亡くなった方と相続取得する方の戸籍等を請求します。ご自分で集めることが難しいときは,ご依頼いただければ戸籍謄本等の取得を代行いたします。

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
  • 相続人の戸籍抄本
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
預貯金の解約や不動産の名義変更等の手続をする
遺言書に基づいて相続人が相続した財産について,各自で,名義変更等の手続をします。不動産の名義変更や,預貯金の解約等をご自分ですることが難しいときは,ご依頼いただければ手続を代行いたします。

よくある質問と回答

相続の手続は,いつまでにしなければなりませんか。
相続の手続で期限が決まっているものは,相続税の申告で,相続開始から10か月以内にしなければなりません。これ以外の手続については,いつまでにしなければならないという期限はありません。

ただし,相続の手続には,書類を集めたり,相続人全員で話し合いをしたりと,やらなければならないことが多くあり,時間もかかります。相続人の中に高齢者が含まれる場合,その方が認知症等で意思能力を喪失すれば,遺産分割の話し合いができなくなるほか,お亡くなりになれば,第二次の相続が同時並行で発生してしまい,相続の手続が立ち行かなくなることもありますので,できる限り早めに取り組むことをおすすめします。

まずは故人の供養をしていただき,目安としては四十九日法要がお済みになった頃から始められてはいかがでしょうか。

戸籍謄本は,どこに行けば取得できますか。
戸籍謄本は,本籍地のある役場で取得します。婚姻により本籍地が変わったとき,転籍により本籍地を変えたときには,かつて本籍地を置いていた役場へ戸籍謄本を請求します。

本籍地が遠方にあり,ご自分で戸籍謄本を集めることが難しいときは,司法書士にご依頼いただければ取得を代行いたします。

相続の登記は別にやらなくてもいいと聞きました。
相続の登記は,義務ではありません。

しかし,相続した不動産を売却・譲渡したり,担保に差し入れたりする場合には,まずは相続の登記をしなければなりません。前もって,相続の登記は,速やかにされることをおすすめします。

それは,相続の手続に使用する戸籍謄本や住民票には,役場での保存期間があり,これを経過すると廃棄されてしまいます。後になって相続の登記をしようと思い立ったときに,相続人の調査に時間や費用が余分にかかったり,また,この間に第二,第三の相続が発生してしまうことで,相続人がねずみ算式に増加し,手続が前に進まなくなってしまうことが考えられます。

また,現在わが国が直面している問題の中に,所有者の所在がわからなくなっている土地(所有者不明土地)が,九州と同じ程度の広大な面積に及ぶとの調査結果があります。これは,長年にわたって相続の登記がされずに放置されてきたことが原因であり,登記簿に記載されている名義人と現在の所有者が一致しないことにより,例えば,大規模災害が発生したときに,復旧工事に取り掛かろうとしても,用地収用の前提として所有者の調査のために過大な時間や費用がかかり,順調に進まないことがあります。防災対策の視点から,相続登記について考えてみてはいかがでしょうか。

なお,近いうちに相続の登記が義務化されることが検討されています。法務局や司法書士事務所が混雑することも予想されますので,今のうちに登記をしておくことが望ましいです。

相続人の中に,音信不通で行方不明となっている方がいます。
遺産の分け方や取り分を話し合う遺産分割協議は,相続人全員ですることとなっており,相続人のひとりでも欠けたまま話し合いを進めた場合,無効となります。

行方がわからない相続人がいるときは,家庭裁判所の手続でその者に代わる人(不在者財産管理人)を選任してもらい,遺産分割協議を進める方法があります。家庭裁判所での手続については,司法書士にご依頼いただければ,書類の作成等のお手伝いをさせていただきます。

遺産の分け方や取り分について,親族間で争いがあるのですが。
遺産の分け方や取り分を話し合う遺産分割協議は,相続人全員ですることとなっており,相続人のひとりでも欠けたまま話し合いを進めた場合,無効となります。

親族同士の話し合いがうまくいかないときは,家庭裁判所で,調停を申し立てることが考えられます。これは,家庭裁判所の調停委員が間に入り,お互いの主張を聞いてから妥協点を探り,調整する手続です。調停が不調になったときには,審判を申し立てて,裁判官に遺産の分割について決定してもらう方法もあります。司法書士は,家庭裁判所に対して調停や審判の申立をするための書類の作成をしておりますので,ご依頼をいただければと存じます。

なお,遺産の分割について親族間で紛争になっているときは,司法書士が代理人となって相手方と交渉することができませんので,弁護士にご依頼をしていただくこととなります。

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