超高齢社会のわが国においては、認知症のリスクも高くなっております。

相続の場面においても、お亡くなりになった方の配偶者が認知症で判断能力を失っているような場合には、遺産分割協議をすることができず、他の手段で対応するにも時間がかかり、資産が凍結されてしまうことで、生活費や納税資金に困るような場面が考えられます。

この事例は、本人から見て、妻Y、長男A、長女B、二女Cの5人家族です。

妻Yは認知症の症状が重く、普段の家の中での生活はなんとかできるものの、意思能力はほとんどありません。

本人Xの思いとしては、XY夫婦の生活は、同居している長男A一家に任せつつ、XYの死後に、子どもたちが争族になることだけは避けてほしいと考えています。

このような場面では、家族信託を利用することができます。

本人Xと長男Aが信託契約を結び、Xの財産を使ってXとYの生活を支えつつ、Yの死後には子どもたちが円滑に資産を承継できるように組み立てます。

これにより、Xの死後、Yが認知症であっても、遺産分割協議をすることなくXの財産を引き続きYのために、利用することができます。

また、Yが遺言書を書ける状況ではなくても、XとAの間の信託契約により、Yが遺言書を書いたのと同じような状況を作り出すことまで可能となります。

信託の構成の一例としては、次のとおりです。
委託者兼当初受益者 X
受託者 A
第2受益者 Y
残余財産の帰属先 A、B、C

家族信託は、大切な財産を次の世代に円滑に承継させることができる有効な仕組みです。

まず、大切なことは、ご家族でしっかりと話し合いをして、納得していただくことです。

認知症対策や家族信託の利用をお考えの方は、ご相談いただければと思います。

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投稿者プロフィール

司法書士野田啓紀
司法書士野田啓紀
遺言書、家族信託、成年後見制度などを活用した相続対策、認知症対策を専門とする司法書士です。相続登記や遺産承継業務のような死亡後の相続の事務手続だけではなく、生前での相続や事業承継への対応に、適切な助言をいたします。