雑感

客単価を上げること

今日は、営業のトレーニングをするために、客単価UPプログラムの一日体験会に参加してまいりました。今年の計画として、売上を伸ばすことがありますが、その方法のひとつとして、客単価を上げていくことが考えられます。

私どもの売上は、客単価×リピート率×顧客数で求められますから、売上を伸ばすには、客単価を上げるか、リピート率を上げるか、顧客の数を増やすしかありません。もちろん、顧客の数を増やせればいいのですが、年々、登記事件の件数が減少しているほか、大量の事件の一括処理を要する定型的な業務については、大手事務所に仕事が集中しつつある現状からするに、これは難しくなってくると予想します。ゆえに、客単価を上げたり、リピート率を向上させたりする方法は、早めに着手しておいて間違いがないと考えます。

客単価に関連して、司法書士報酬については、自由化されております。事務所ごとに基準を設けておられることと思いますが、日本司法書士会連合会では、全国の司法書士報酬を調査した結果が公表されております。
(http://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/remuneration.html)

司法書士報酬が高いか安いかについては、個人の感想となりますが、アンケートの結果を見るに、薄利多売で、相当の数の事件を受託しなければ、経営としては成り立たないような価格設定にされている印象です。

事務員を安価に雇用してする、労働集約型のビジネスモデルです。専門性、事務量のほか、その責任の重さに比べますと、率直に、誰に遠慮した価格設定なのか、数をこなさなくても利益が上がるような仕組みを考えないのか、と疑問がわきました。

これは、仕入れでしょうかね。

すぐに転売の予定があって、そのときに次の買主に多めに請求して調整できるのであれば,受託するかもしれませんが、通常は請けません。特定の相手から低廉な価格で受託するということは、取引相手との力関係とは無縁のエンドユーザーに、過分な負担をさせることにつながるものであって、司法書士としてあるべき姿なのだろうかと疑います。

司法書士の中には、業者や金融機関に言われるままに、とんでもなく低廉な金額で受託をしている方があります。どこかで帳尻を合わせているのでしょうけれど、司法書士報酬を下げる方向での競争がはたらくことは、決して望ましいことではありません。

これは、決して高いとは思いません。

しかし、司法書士からの見積書がエンドユーザーの手元に渡っていることが珍しいように思います。通常は、不動産仲介業者が費用の一覧表をまとめられており、そこには売買代金のほか、登記費用や固定資産税の精算金等の諸費用を含めて記載されており、見積書の段階でその明細がこのように直接に手渡しされることはあまり聞きません。

とはいえ、「高い」と主張する方の多くは、とりあえず条件反射のように高いと言っているに過ぎませんので、こちらとしても堂々とその価格の根拠を説明申し上げればいいのです。高いと言われるたびに、気安く見積もりを引っ込めていては、むしろ、元の価格がぼったくっていたような印象を相手に与えるだけで、不信感につながります。

これについて、相手方からはなにも感謝はされません。

「とりあえず高いと言ってみたら、下げてくれた。あの事務所は、ぼったくりだ。」とツイッターに書かれるのがオチです。また、安い事務所だと噂が広まれば、客層が悪くなるだけです。

過度な価格競争は、質の低下を招くどころか、損害が発生する事態にもなりうることは、マンションの耐震偽装や食肉偽装問題のほか、自動車メーカーの不正検査等、枚挙にいとまがありません。司法書士業界として、このような危険性を念頭に置く必要があるのではないでしょうか。

さて、私ども司法書士は、自営業者です。多くの従業員を雇用して経営している事務所もありますが、ほとんどは零細事務所です。

つまり、自分のからだ一つで仕事をしているわけで、ヒトは病気になるし年もとります。数をこなすことが前提の経営計画としていることで、それなりのリスクがあるわけです。

昨日、弁護士の北周士先生からの客単価を上げることについての発信に反響がありました。

薄利多売の人海戦術ではなく、客単価を上げて、高品質のサービスを提供していく方が、長期的には発展すると考えます。無論、商売でやっている以上、私どもの懐が温かくなることが目的ではありますけども。

肝心のセミナーの内容は、実際に聞いてみてのお楽しみでありますが、すぐに使えるものが多く紹介され、早速取り入れていきます。

ものの見方、考え方ひとつで、環境は大きく変えられるものであると改めて学びました。あとは、やるかやらないか。ですね。やらない理由、できない理由を探すのはとても簡単なことです。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
名古屋で相続、認知症対策専門の司法書士事務所を経営しています。人生100年時代を豊かに過ごせるように、老いの不安を解消し、想いに寄り添うコンサルティングに強みがあります。 遺言書、民事信託、成年後見制度などを組み合わせた相続、認知症対策のご提案をいたします。 当事務所では、相続登記や預貯金の解約のような死後の事務手続だけではなく、生前の相続、認知症、事業承継への対応に、適切な助言をいたしております。