雑感

相続に関する資格ってどうなの?

資格には、その資格がなければ業務をすることができない業務独占資格、その資格がなくても業務はできるが資格者を名乗ることができない名称独占資格などがあります。

司法書士、医師、弁護士などは業務独占資格です。資格のない者がその業務をすれば、刑事罰となることがあります。

中小企業診断士、社会福祉士、調理師などは名称独占資格です。たとえば、経営コンサルタント業や飲食店経営は誰でも始めることができますが、中小企業診断士や調理師と名刺に書くことができるのは、資格を有する者のみです。

資格に中には、民間の団体がビジネスとして交付しているものも多くあります。観光検定や歴史検定のようなものを想像してください。

趣味の一環として広く会員を集め、教材や検定料、年会費を団体の収入源としているものです。

悪く言えば、会員ビジネスということになりますが、これもひとつの使い途で、自分のネットワーキングやブランディングにうまく使えば、実用性はあると思います。

相続に関する資格も多く世の中には出回っております。私が確認しただけでも、数十にも及びます。

相続に関わっている業種は、司法書士や弁護士に限りません。

もはや4人に1人が高齢者となる時代です。医療、保険、葬儀、建築、不動産、介護、金融などのあらゆる業種が、相続マーケットに参入せざるを得ない状況があります。

司法書士の中には、このような民間の相続系の資格を揶揄する方々が少なくありません。

これらの資格の中には、わずかな知識を習得したのみで、相続に関して精通した資格であるとの誤解を与えるようなものも含まれるほか、非弁や非司につながるような業務をされている民間の団体が存在することも確かです。

民間の資格試験というものは、およそそのようなものです。

国家がお墨付きを与えてるものではありませんから、その内容については誰かが保証しているものではありません。

ただし、私としては、うまく活用すればいいものと考えます。

相続に関する資格について、その有資格者だけが加入できる団体の中には、日常的に勉強会を重ね、とてもレベルの高い活動をされているところがあります。

もはや試験の中身はたいしたものではなくて、その団体の中で築くことのできる人脈や、勉強会で習得できるスキルに意味があるのです。また、そのようなところで専門家や士業とのつながりをつくることで、自分の業務の強みとなります。

同業の司法書士よりも、よほどしっかりと勉強をされている方にも会います。

逆の見方をするならば、士業として、そのような団体で真剣に勉強をしている意識の高い方々とのネットワークをつくっていくことで、士業の顧客となりうる方々に紹介をしていただけるきっかけが増えることがあります。

彼らもまた、士業の独占業務を侵すリスクを心得ていますから、お互いの専門性をいかして、パートナーシップを結ぶことを求めています。私ども士業の専門性に大きな期待感を寄せられています。

特に、これから開業しようとしている司法書士には、いまさら登記の仕事を増やそうと思っても、焼け野原です。

登記の仕事を多く抱えている大手のハウスメーカーや不動産仲介、金融機関は、登記の仕事を大手の司法書士法人に一括して委託する流れになってきています。

そこに勝負をかけても、相手は価格しか見ていないので、よほどの資本と人員を投入できない限り、利益にはならないでしょう。

目先を変えて、出かけるところを変えれば、まだまだ司法書士を求めている業界は多くあることがわかります。司法書士の露出が少ないから、そもそも存在や仕事の内容が知られていないだけです。

大切なことは、目の前で困っているお客様をどのように助けるかということです。

優れた能力をもつ人たちが協力して、みんなで問題解決をすることです。そこでは資格の優劣など存在しません。

資格は道具です。強力なネットワークづくりに、民間の資格を活用してみるのはいかがでしょうか。

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司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
名古屋で相続、認知症対策専門の司法書士事務所を経営しています。人生100年時代を豊かに過ごせるように、老いの不安を解消し、想いに寄り添うコンサルティングに強みがあります。 遺言書、民事信託、成年後見制度などを組み合わせた相続、認知症対策のご提案をいたします。 当事務所では、相続登記や預貯金の解約のような死後の事務手続だけではなく、生前の相続、認知症、事業承継への対応に、適切な助言をいたしております。